快晴くんは、部活に勉強にと忙しく

私も幽霊部員だった書道部に本腰を入れ始めた。



快晴くんといると、頑張ろうって気になるから


この気持ちは“いい恋”なんだと思う。



彼に取ってもそうだといいなって思ってる。



いい恋が出来ているのは……

紗香はともかく、さっちゃんとむっちゃんの影響も大きいと思う。



さっちゃんは目標に向かってぶれることなく努力している。


むっちゃんも……体育館に通って先輩と一緒にいる姿をよく見かけた。

「来年になったら、体育館での先輩もほとんど見られなくなるから」

そう言ってた。


二人とも、前を向いてる。


それに、私もやっぱり頑張ろうってなるから。




紗香とふっちーは……
少し前の二人が嘘でしょ!?っていうくらいにラブラブだ。


「ふっちーしか視界に入ってないよね」

さっちゃんとむっちゃんが笑う。


「いや、元々ふっちーしか見てなかったじゃん」


「物理的な視界。あの二人近すぎる。見ててこっちが照れるわ。ちゅーでもするのかと思う距離!!」


「何だったんだろうね、あの無意味なあまのじゃく」

「ほんと、あれさえなければ、今頃紗香だってN高(ここ)にいたよね」


「確かに……」


「K高で良かったんじゃない?うるさそうだし」


「確かに!!」



『生!生が見たいのよ、生ふっちーの学ランがぁ!』


なんて叫んでた紗香とは別人のようだ。


せっせとバスケのルールを覚えて、スコアまで付けられるようになった。


F大でマネージャーしようかな。
とまで言い始めた。


K高の制服で、堂々と校門でふっちーを待ってる。



そんな感じなもんで

K高でもN高でもすっかり有名なカップルだ。



お陰で、我が家に入り浸ることも、いつものファーストフード店で項垂れることも少なくなった。



「薄い友情になったもんだ」

さっちゃんが笑う。


「そのうち、ケンカしたら泣きついてくるんじゃない?」


「あー、大丈夫じゃない?」


チラリとふっちーの方を見る。





「大丈夫だ!」



「うっれしそーに」

「今頃、モテてんじゃない?」


私達のからかいに
複雑そうな顔をしたものの……


「俺よりイケメンはいないはずだ。」


とか、調子に乗ってる。



「工藤もモテてるだろ?」

「そうなんだよ、無駄に愛想いいからな、あの人」

「はは!確かに!」


でも、大丈夫。

そう思ってる。