呪われた旅館


照「急ぐぞ」

翔太がガンガンと戸を叩いて、ようやく人が入れるほどの穴ができる。

翔太「大ちゃん!」

バットを放り捨てた翔太がその穴から部屋へと入っていくのに続いて、照くんと私も中に入った。
だけど。

照「おい、嘘だろ......?」

部屋の中に大ちゃんは見当たらない。
きっと呻き声が聞こえた時......。

翔太「……」
照「あと少し早かったら助けられたかもしんねーのに......」

無言でベランダを確認しに行く翔太と、その場に立ち尽くす照くん。
大ちゃんも消えてしまって、残っているのは私と翔太、照くん、そして。

すみれ「ねぇ、慧は?」