呪われた旅館


照「……そうだな。せっかくバット持ってきたんだし」

照くんの言う通り、翔太の手にはバットが握られていた。

翔太「客室から拝借してきたんだ」
照「大ちゃん、今から戸ぶっ壊すから離れとけよ」
大輝「よし、来い!」

その言葉を合図に、翔太が戸に向かって思い切りバットを振る。
鈍い音とともに少しずつくぼんでいく戸。もう少し叩けば壊れそうだ。
これで大ちゃんが助かる。

......そう思っていたのに。

何度目かのバットを打ち付けた時、戸の向こうから呻き声のようなものが聞こえた。

照「今、何か聞こえなかった?」
すみれ「もしかして、バットが大ちゃんに当たっちゃった?」
翔太「いや、そんな感触はなかったけど」

嫌な予感がする。