Time Traveler


翔太にトイレと嘘をついて向かったのは、スタッフさんの所だった。
あの子の落とし物を装って、私が書いた手紙を渡してもらうよう託した。
ステージの上から記憶した座席の位置と見た目の特徴を伝えておいたから、きっとちゃんと届くはず。
手紙には “会って話したい” という内容を書いただけだけど。

照「そんなに上手くいくか?」
すみれ「わからない。けど、やってみる価値はあると思って」
翔太「すみれ1人で会うつもりなの?」
すみれ「うん」

あのメールには、私以外のメンバーが襲われたって書いてあった。
だとしたら、みんなをあの子に会わせるのは危険だ。

海斗「それって危ないんじゃ......」
すみれ「でも、私のファンなら、私が説得すれば事件を防げるかもしれないから」

みんなも、これが私にしかできないことだって気づいたみたいだった。
静かになったステージ裏に、B.B.コールが響き渡る。

すみれ「そろそろ行こう?手紙が無事に届くかまだわからないし、今はとりあえずこの時間を楽しもうよ。ね?」