「怒って当然なのに、こんな時間まで付き合わせてごめん」

「……怒らないけど、不安でした。みんなかわいかったから」



確かに正直、疑問に思ってた。

ベタベタ触られてるのに困った顔で笑うだけ。

逆の立場だったら対応しきれないと思うけど、周りに助けを求めることはできたはず。



「本当は、あの場で春臣くんに触らないでって言いたかった。
でも私は、見た目で劣ってる自覚があるから言えなかった……」



でも文句なんて言えるはずないから、せめていい子でいなきゃ。

そう思って気にしないフリしてたのに、なんで謝ってくるの?



「私、春臣くんが好きです。
でも自分に自信がないから、つらいです」



こぼした本音に春臣くんは瞳を揺らす。

涙があふれそうになって指先で拭おうとしたら、立ち上がった春臣くんにその手を押さえつけられた。

次の瞬間、重なった唇。

驚いて肩がビクッと震える。春臣くんは押さえつける手をゆるめて、ゆっくり唇を離した。



「……今のはペナルティ?」

「ううん、俺がしたかっただけ」