お店を出たら辺りは一面オレンジ色。

西日が強くて目を細める。



「風夏ちゃん、ちょっと散歩しない?」



帰るつもりだったけど、春臣くんに誘われたら断れない。

別に用事ないしいっか。

そんな軽い気持ちで春臣くんの隣を歩き出した。



「実は俺、あの日陽太さんに会いに行こうと思ってたんだ」



お店の近くの公園、そこまで歩いたら春臣くんはブランコに腰を下ろして話し始めた。

ゆらゆら小さく揺れながらお店のある方向を見つめる。

私も隣のブランコに腰かけて話を聞くことにした。


「あの日って?」

「風夏ちゃんと初めて会った日」



ああ、元カノにフラれてやけ酒してた日か。

あの時はまさか付き合うと思ってなかったから、今こうして話してるのはなんか変な感じ。