君がかわいいと言うから

「っ……」



待って、笑った顔イケメンすぎる。

もう二度と恋しないなんていいながらときめいてしまった。



「あ、あと私の方が年下だと思いますので敬語じゃなくていいです!」

「そう?じゃあ優しい君のお言葉に甘えて」



イケメンに優しいと褒められて有頂天になってしまいそう。

うぅ、私の悪いくせだ、落ち着け!



「い、いえ。困ってる人を放っておけませんから」



その心を押さえつけて、ガシッとつかんでしまっていた彼の手を離した。



「そういうの優しいって言うんだよ、大半の人は素通りするはずだから」

「そう、でしょうか」

「君に話したら少し落ち着いた」

「それならよかった。では私はこれで……」



ちょっとは気晴らしになったみたい、よかった。

立ち上がったら後ろから「待って」と声をかけられた。



「話を聞いてくれたお礼に、今度ご飯でも行きませんか?」