「まあ確かに出会ってすぐの頃はちょっと変わってるなと思いました」

「……おい」

「でも、まっすぐな人だと思います。
わたしは春臣くんのそういうところに救われました」



私はほかの女とは違うぞ、言ってもすぐには伝わらないからこうやって話していけば誤解は解けるかな。



「まあ、お前はこれまでの女と系統違うし大丈夫そう」

「かわいくないってことですか?」

「は?顔の話してねえけど」



ムッとした顔をすると村田さんは「いじけんなよ」と言いながら髪をかきあげる。

……この人、色気すごいな。

思わずドキッとしちゃったじゃん。

色気皆無なので参考にしたい。



「ハルが怒るからあんまり言いたくねえけど、芋っぽさがなくなって垢抜けたと思う」



私もまだまだか、落胆してため息をついたら村田さんがぼそり。

うそ、褒めてくれた!?

ダイエットにメイク研究、頑張ってよかった!



「ほんとですか!?それはとても嬉しいです」

「だから焦ってたよ、あいつ」

「……なんでですか?」

「俺よりいい人見つけたらどうしようって」

「なぜその発想に?」

「散々裏切られてるからな」



疑心暗鬼になる気持ちはよく分かる。

でも私が裏切るわけないよ。

私は春臣くんに会えたから変わったんだから。