君がかわいいと言うから

「え?」

「私が入学式の時、腹痛で廊下にうずくまってたら風夏が声かけてくれたんだよ。
他のみんなは素通りしたのに、風夏だけは助けてくれた」



……あの時声をかけた人、秋華だったんだ。

てっきり上級生だから場所分かってると思って『保健室行けますか?』って声かけたんだよね。

そしたら無言で首を横に振ったから、相当まずい状況なんだと思って近くにいた先生を呼んだけど。



「その時絶対この子と仲良くなりたいって思った。
そしたら同じクラスだったの、運命感じたよね」



そんな昔のこと、秋華はまだ覚えてたんだ。



「だから『秋華と風夏って名前似てるね』って話しかけたの」



……そうだったんだ。

あれ、おかしいな。嬉しいのに泣きそう。



「……泣かせようとしてる?」

「ずっと友達でいようね」

「当たり前だよ!でも泣かせに来るのやめて!」



いたずらっぽくて、それでいて爽やかな笑顔を弾けさせる秋華。

冬斗くんはその隣でときめいた乙女みたいに秋華を見つめている。

その顔がおかしくって私は泣かずに済んだ。