「信じられない……」



朝、家のリビングでボーッとしながら呟いた。

春臣くんが私と付き合ってるなんて信じられない。



「何が信じられないって?」

「お母さん……なんでもないよ」



独り言を呟いてたら、掃除機を持って移動中だったお母さんに見つかった。

やばい、お母さんはゴシップ大好きだからバレるとまずい。

根掘り葉掘り聞かれて時間が潰れる。



「嬉しそうな顔しちゃって〜。
もしかして夏祭り迎えに来てくれたイケメンくんのこと?」

「え!?なんで知ってるの?」

「見てたわよ〜ベランダから」



変なところで勘の鋭いお母さんに見抜かれた。

嘘でしょ、ベランダから見てたの!?



「で、付き合ったの?」

「う……お父さん助けて!」



今日は出かけなきゃいけないのにお母さんに絡まれてたら大変なことになる!

ダイニングテーブルでコーヒーを飲んでたお父さんに助けを求めた。

それにしても珍しい、忙しい両親が揃うなんて。