りんご飴片手に河川敷を歩く。

そろそろ花火が上がるから屋台から離れていい場所を探していた。



「疲れた?」



暗いからあまり顔色は分からないはず。

それなのに春臣くんは少し不安げな声で聞いてきた。



「え、大丈夫ですよ。すみません、春臣くんこそ歩きっぱなしで疲れましたよね」

「俺は大丈夫。それより風夏ちゃんさっきまで笑顔だったのに様子がおかしい気がして」



……彼女でもないのに、どうして気遣うの?

なんで変化に敏感なの?



「ひとつ、聞いてもいいですか」



春臣くんが私に抱いてる感情がなんなのか分からない。

だからずっと心に秘めていたことを声に出すことにした。



「春臣くんは、私と歩くの恥ずかしくないですか?」