スマホに表示された名前は秋華。

そうだ、合流して浴衣の写真撮ろうって話をしてたんだった!

春臣くんのこと少し気になるけど、先約の秋華が優先だ。



「あ、秋華見つけた」



春臣くんを連れてあらかじめ決めてた集合場所に行くと、浴衣姿の秋華と満面の笑みの冬斗くんがいた。

秋華の浴衣姿が嬉しいんだ。

自分で贈ったものだから尚更だよ。



「秋華、すっごい綺麗!冬斗くんさすが。秋華に似合うものが分かってる」



褒め称えると冬斗くんはもっと褒めてと言わんばかりに「でしょー?」と笑う。

だけど秋華はその横でため息をついた。



「はー、ヒヤヒヤした。春臣さんに勉強教えてもらったのに補習になったんだもん」

「だって今回平均点が高かったじゃん!仕方ないって」

「……へえ、冬斗くんは平均点取れなかったんだ」



仕方ないと開き直る冬斗くんに、悪い顔をして笑いかける春臣くん。

そんな顔、私に見せてくれたことないのに。

って、付き合ってもないくせにヤキモチ焼くのは違うでしょ。