続いて焼き鳥を手に入れ、フライドポテトも買ってみた。

両手に食べ物を抱えて気分はまさに両手に花。

幸せいっぱいで口に運んでいると、春臣くんが歩きながら顔を覗き込んできた。



「風夏ちゃん、そういえば門限は大丈夫だっけ」

「うち門限ないから大丈夫です。春臣くんはもう大学生だからないですよね」

「ないっていうか……両親ほとんど家にいないから大丈夫」



春臣くんは笑ってるけど少し寂しげ。

あれ、触れちゃいけない話題だったかな。



「俺の両親、2人とも弁護士で忙しいんだ」

「ご両親が弁護士!?すごいですね」



心配したけどそうじゃなかったみたい。

2人とも弁護士って……そりゃ頭いいわけだよ!

収入もいいだろうし、だから高級車乗り回せるんだ。なるほどね、納得。



「うん、すごいと思う。昔から仕事熱心で」



ざわめきの中、春臣くんの横顔に影がさす。



「……さみしい、ですか?」

「今は風夏ちゃんがいてくれるから大丈夫」



とっさに出た疑問に笑顔で答える春臣くん。

だけど少しずつ春臣くんのこと分かってきたから、違和感に気づく。

なんで無理して笑ってるの?

そう聞き出そうとしたその時、持っていたカゴバックの中のスマホが鳴り出した。