「風夏ちゃんは特に朝顔が似合う。夏の花だし」

「嬉しいです、私も朝顔好きなので!」



白地の布に咲く青い朝顔。差し色の黄色の帯はよく見ると麻の葉文様になっていてお気に入り。



「着付けはお母さんだけど、髪は自分でしてみたんです!」

「帯と色揃えたんだ、かわいい」



髪飾りは和風の黄色い花。実はお母さんが成人式で使ったものらしい。



「はっ、ごめんなさい自慢ばっかり。
早く行かないと電車混みますよね」

「大丈夫、それより写真撮ろ」



私の解説をニコニコしながら聞いていた春臣くんは、突然私の肩を抱き寄せてスマホを構える。

あれ、こんなことする人だっけ?



「風夏ちゃん、俺じゃなくてカメラのとこ見て」

「あ、すみません!」



春臣くん、なんか私よりテンション上がってない?

浮かれてたのは私だけじゃないんだ、そう思うと嬉しくてにやけてしまった。