「風夏がインスタに上げてたお好み焼きおいしそうだった〜」



月曜日、学校で秋華からお好み焼きの話題を振られた。

ええ、おいしかったですよ。見た目だけじゃなくて味も最高だった。



「春臣くんのオススメのお店なんだって。おいしかった!」

「え、春臣さんと行ったの?」

「うん、奢ってもらったから今度こそご飯作るって約束したんだ」



煮込みハンバーグが延期になってたからテスト明けたら作ると決めた。

しかし、秋華はそれを聞くと眉を寄せて腕を組む。



「ねえ、おふたりはいつ付き合うの?」

「付き合う……?」



予想外の質問を受けて答えられない。

だって春臣くんと一緒にいられるだけで幸せだから。

次の段階に踏み込むという発想がまずなかった。



「そもそも、春臣くんって脈アリと思う?」

「脈ないと何度もご飯誘ったりしないでしょ」

「うーん……」



確かに『まだ付き合ってない』って発言が気になるところではあるけど。

元カレの影響か、そういう言葉を信用できなくなった。

だって浮かれて舞い上がって、もし違ったら恥ずかしい。

中学時代の苦い思い出みたいに消えてなくなりたくなる。