「あれ、なんだろこれ」



とにかくこの話は気まずい。

そう思って部屋を片付けるためにしゃがんだら、見慣れないものを見つけた。

ベットの下にあったのはクリアファイル。

中には春臣くんの物と思われるレポート用紙が入っていた。



「コレ……提出期限明日になってる!」

「ヤバいじゃん、すぐ電話して!」



春臣くんの忘れ物を見つけて大慌てで電話をかける。

すぐ出てくれたから「明日が期限のレポート忘れてますよ!」と伝えたら春臣くんの笑い声が届いた。



『あ、それ教授が間違えただけだから。
本当の提出期限来週だから大丈夫だよ』

「え、なんだ。よかった……」

『心配かけてごめんね。
とりあえず今日はもうそっち行けそうにないから、明日取りに行くね』

「だったら届けに行きますよ」

『大丈夫だよ、風夏ちゃんテスト勉強があるでしょ。
それに俺、明日は大学でバイトだから夜じゃないと空いてない』

「だったら尚更行きたいです!私、春臣くんが通ってる大学に興味があって。
ずっと勉強もキツイので息抜きがてら行きます」

『あー、そっか。……じゃあ、お言葉に甘えて』



会いに行きたいと欲張りを言ったら受け入れてくれた。

やった、明日も春臣くんに会える。

そう思うと胸の辺りがあったかくなった。