え?それってまさか夏祭りデートのお誘い?

ダメだ、その先のこと何も言われてないのに期待してしまう。



「終わってますね!赤点なければ夏休みです!」

「大丈夫そう?」

「赤点は取ったことないので大丈夫と思います」

「一緒に行く人決まってる?」

「決まってないです。今年は友達が彼氏と行くらしくて」

「一緒に行かない?」

「行きます!」



春臣くんの声に、被せ気味で決意表明。

すると春臣くんは目を丸くした後「はは、食い気味」って目尻を下げて笑った。

笑われたけど別にいい。

次の約束ができたことが何より嬉しかった。



「すみません、春臣くんと一緒に行けると思ったら嬉しくて」

「そんなに?よかった」

「タンスの肥やしになってた浴衣ようやくお披露目できます!」

「そっか、楽しみにしてるね」



中学生の時、元カレと行くつもりで奮発して買った浴衣。

あんなサイテー野郎を忘れるために、春臣さんと夏祭りを全力で楽しもう。

そうと決まれば勉強頑張るぞ!

一気に頭痛が遠のいて、私は残りのかき氷ををモリモリ食べた。