「家庭教師してる人は頭がいいイメージがあります。得意科目はなんですか?」

「得意科目っていうか、数学と英語はよく依頼が来るかな」

「私も教えて欲しい〜」

「風夏ちゃんならタダで教えるよ」



冗談言ったら流し目で悩殺された。

この人、何をしても危険だ。

うっかり好きになったらどうしてくれるの。



「タダは申し訳ないので何かお礼に作ります」

「じゃあ風夏ちゃんが作ったハンバーグ食べたい」



冷静に努めて会話を続けてたのに新たな問題が発生。

手作り料理!?私はクッキーとか簡単なお菓子を想像してたのにいきなりハードル上がったんだけど。



「うーん……煮込みハンバーグならよく作ります」

「へえ、おいしそう」



考えた末に煮込みハンバーグを思いついた。

煮込みハンバーグはお父さんも褒めてくれるから大丈夫と思う。



「風夏ちゃん器用なんだね。髪も自分でした?」

「はい、頑張りました!今日はメイクも自分で頑張ったんですけど変じゃないですか?」

「かわいいよ、でも……」



少し険しい顔をして私を見るのをやめた春臣くん。

何?そんな顔させるほど不快!?