「そう?ならあだ名つけて」



あだ名?さらに難易度上がったんですけど。



「春臣くんで……」

「フツーだね」

「普通ですみません」



結局思いつかなくて普通に呼ばせてもらうことにした。

苦笑いしながら謝ると春臣くんは眉間にシワを寄せた。

あれ、何か不快にさせること言っちゃったかな。



「風夏ちゃんはスイーツ好き?」



かと思えば、不意に違う話題を振ってきた。



「好きです!食べたら幸せになります」

「インスタみたらお菓子が多かったからそうかと思った」

「そうなんですよ、家でもよくお菓子作りしてます」



歩いていた春臣くんは最寄り駅までたどり着くと立ち止まった。



「今度カフェ巡りでもする?」



え、また会ってくれるの?しかも次はカフェ!?



「カフェ巡りですか!?最高じゃないですか」

「その顔かわいい」

「っ……」



人目を気にせず喜んだら不意打ちを食らった。

もう、赤面するのバレちゃう。



「また会おうね、風夏ちゃん」

「はい、ありがとうございました」



そんな私を見て春臣くんは満面の笑みで手を振る。

そのまま駅に向かって改札の奥に消えていった。


夢みたいだ、住む世界が違うイケメンと2回もデートができるなんて。

次はカフェデート……とりあえずそれまでに痩せねば。

心に決めた私は、バスを待ちの時間で“痩せる 筋トレ”で検索をかけた。