それから席に通されて窓際のテーブル席に向かいあわせで座った。

その頃には頭がハンバーグでいっぱいだったので緊張しなくて済んだ。

注文を済ませてわくわくしながら待っていると春臣さんが頬杖をついて私を見つめてきた。



「どうされました?」

「目がキラキラしてるね、そんなに今日楽しみだった?」

「はい、もちろんです!」



テンション上がって少し大きな声で返事してしまった。

そんな私を見て春臣さんは優しく微笑んでくれる。

……なんて綺麗な笑顔。真正面から食らって正気でいられるわけない。

再び暴れ出す心臓。隠しきれないからお手洗いに行くと言ってその場を離れた。


トイレで心を落ち着かせて戻ってきたら春臣さんはスマホを見ていた。

スマホ見る横顔すら綺麗って何なの?

少し離れた位置で突っ立っていると、ハンバーグを乗せた鉄板を2つ持ったウェイトレスの人に追い越された。

行先は春臣さんが座っているテーブル。

あ、アレ私のハンバーグだ!

小走りでテーブルに戻って紙エプロンを首からかけた。