「でも、あれ彼女だよね」

「高校生なんだっけ?……普通にかわいくない?」



一方の私もイメージが良くなった。

掲示板の影響でとんでもないブサイクで性悪だというイメージがついていた私。

だけど実際会ったらかわいいし優しそうな人だった、と言ってもらえるようになった。

一安心したけど、噂話をされるのは抵抗がある。

どうしよっかなと思ったら春臣くんが立ち上がった。



「行こっか、風夏ちゃん」

「はい、そうですね」



気を使ってくれたのかな。

手を差し伸べてくれた春臣くん。

その手をぎゅっと握って笑いかけると、春臣くんくんは「どうした?」と言いながら微笑んでくれる。

それを見ていた女の子たちは「なにあの笑顔……」と顔を少し赤くしていたように見えた。

私だけに向けられる笑顔に優越感を持つなんて、ちょっと欲張りになってしまったのかも。