「全然人の話聞いてない……」

「はは、いじけないで」



返却したのに聞き入れてもらえるはずなく。

仕方なくうなじを春臣くんの方に向けたら、腕を回されてネックレスがつけられた。

春臣くんの香水の匂いがして思わず息を止めた。



「異性から贈られるネックレスの意味、知ってる?」

「え……知らないです」

「束縛と独占、だよ」

「っ……」



後ろから聞こえる春臣くんの声にさらにドキドキ。

春臣くんの吐息が耳にかかってビクッと身体が反応した。



「風夏ちゃんのこと束縛して、独り占めしたいって思うくらい好きってこと」



春臣くんは追い打ちをかけるように「これはその表れ」と言いながらうなじにキスをする。

驚いて首を押さえて向き直る。

すると春臣くんはいい笑顔で笑った。



「風夏ちゃん、俺が言ってることは全部本気だから」

「……分かってますよ」

「かわいい、久々に真っ赤な風夏ちゃん見られた」



至近距離で甘いことを言われて、正気でいられるわけない。

恥ずかしくて顔が熱いのに、嬉しくて仕方ない。

春臣くんはそんな私の頭をなでて満足そうだった。