あ、本当に分かってなかったみたい。

近寄いてきた春臣さんはますますかっこいい。

しかもいい匂いがする。



「そうです!すみません服の特徴とか言えばよかったですね」

「ごめん、雰囲気違うから分からなかった」

「そんなに違います?友達にメイクしてもらったんです!」



緊張してるのがばれないように声を張って対応する。

だけど、ぐいっと顔を近づけてきたから思わず後ずさり。



「あの……?」

「ん?メイクしたらますますかわいいと思って」



この人、かわいいとかしょっちゅう言ってくるけどどういうつもりなんだろ。

褒められてなんだか顔が熱い。

だから誤魔化すように笑って距離をとった。



「あはは、春臣さんってば冗談上手なんだから!」

「冗談じゃないけど」

「え?」

「冗談じゃないって言ったんだよ。今日は楽しもうね」

「あ……はい!」



冗談だと思ってあえて聞こえないふりしたのに言い直された。

女慣れしてるっていうか、今までいなかったタイプだからびっくり。

春臣さん、ちょっと変わってるのかも。