迎えたデート当日。

朝から秋華の家に行ってメイクをしてもらった。

服は体型をカバーできるような大人っぽいゆるふわワンピース。

秋華に「最高にかわいい」ってお墨付きをもらったから大丈夫と思うけど、不安。

だって春臣さんはもっと素敵だろうし。



「……あれかな」



待ち合わせの駅で春臣さんらしき人を発見。

後ろを刈り上げた茶髪のふんわりパーマに、遠くから見てもハッキリしてる目鼻立ち。

本当にこんなかっこいい人とデートするの?

うわー、緊張してきた。



「あの、春臣さん」



すれ違いざまに声をかけたけどスルーされた。

あれ、もしかして私だって分かってない?

もう一度声をかけようとしたら立ち止まって振り返った。



「えっと……風夏、ちゃん?」