「春臣くんと幸せにな、風夏」

「結婚する訳でもないのに気が早いって」

「だって春臣くんは風夏と結婚する気みたいだから」

「け、結婚するにしてもまだまだ先の話だから!」



結婚する気みたいって、春臣くんお父さんに何か言ったのかな。

とにかくお父さんとこういう話をするのはなんか恥ずかしい。

すると、スマホに着信が入った。



「お父さん待って、春臣くんから電話きた」

「パパとのキャンプ中なのに春臣くんを優先された……」



ショックを受けた顔のお父さんを見て苦笑いしながら通話に応じる。



「春臣くん、どうしたの?」

『ああ、よかった。そこ電波入ってるんだ』

「うん、そこまでの山奥じゃないから全然大丈夫だよ」

『そっか、お父さんいるのにごめんね。声聞きたくなって』



甘え上手な春臣くんにそう言われたら笑ってしまう。



「私もちょうど春臣くんの話をしてたので嬉しいです!」

『風夏ちゃんのお父さん、何か言ってた?』

「……春臣くんが私と結婚する気だって聞いて泣いてます。
あの、何か言ったんですか?」



ちょうどお父さんの話題も出たから気になってたことを聞いてみた。