それから2ヶ月後、あの悪口だらけの掲示板は削除されて事件は終息した。

犯人はなんとあの性悪姉弟だった。

リサだけかと思ってたけど、ヒロキも関わっていたらしい。

姉弟は父親に叱責されて家を追い出されそうになったんだとか。

その父親は裁判沙汰は勘弁してくれと、通常の4倍ほどの示談金を出し、さらに二度と私たちに近づかないと約束してくれた。

私はもうあの姉弟は悪さをすることがないなら、とその条件を飲んで全部終わらせることにした。



両親や春臣くん家族には迷惑をかけてしまったけどスッキリした。

弱気で言いなりな過去の自分とも、これで決別できた気がする。




「風夏、寒くないか」

「うん、大丈夫。火の力ってすごいね」



ゆらめく炎を眺めながらこれまでのことを考えていた。

今日はお父さんと一緒にキャンプを楽しむ日。

あの示談金の一部で新しいキャンプ道具を買ったお父さん。

『あくまで風夏の金だから使わない』って頑なだったけど、私もキャンプに連れて行って欲しいな〜と言うとあっさり使ってた。

だってそれはもともと私のお金じゃないから、心配してくれた家族に還元するべきだと思う。