君がかわいいと言うから

「職場で風夏と同い年くらいのバイトの子に言われたんだ。
これ、娘さんのことじゃないですかって」



お父さんは自分のスマホを操作すると、ネットを開いて掲示板にたどり着いた。

……なんでお父さんがそのサイト知ってるの?



「娘も料理するんだって、たまたまその子に風夏のアカウントを見せたんだよ。
そこから春臣くんとの繋がりを知って、例の掲示板に見つけた時にすぐ教えてくれた」

「え、淳くん風夏が中傷されてたの知ってたの?
なんで家族そろって誰にも相談しないのよ」

「どうにか風夏に知られずに対処したかったんだ。それが親心ってものだろう」



お父さん、私がひどいこと言われてるの知ってたんだ。

最近仕事から帰ってきても忙しいように見えたのは、私のことも考えてくれてたのかな。



「だけど素人じゃ手に負えない。
弁護士にお願いするしかないと思っていたが、君のご両親が弁護士だというならそちらにお任せしよう」

「……よろしいんですか?」

「真摯な姿勢に心打たれた。
春臣くんは立派だよ、風夏のことを考えて真剣に対応してくれようとしている」



お父さんは春臣くんを安心させるように微笑む。

その笑顔を見てハッとしたような顔をした春臣くんは「ありがとうございます」と頭を下げた。