「だってハルオミの元カノちゃん、ちょっとクセのある子だったから。
今度は見るからいい子そうで安心した」

「ありがとうございます」



でも、見るからにいい子そうだって褒めてくれて安心した。

そう思ってくれて安心した。

私のせいで春臣くんの評価まで下げるわけにはいかないもん。



「あ、来たきた」



ほっと息をつく。すると、キャンピングカーの後ろの部分が開いて春臣くんが現れた。

やだ……とんでもないイケメンが出てきた。

濡れ感のある髪で色気が倍増してるし、顔も何か違う……。

あ、分かった眉毛だ!

へえ、男の人も眉毛が違うだけでこんなに印象違うんだ。

イケメンすぎて、もはや近寄りづらい。



「風夏ちゃん、顔真っ赤」

「は、はひ……」



すれ違いざまに微笑まれ、アイドルにファンサしてもらった気分。

かっこいい、興奮しすぎて脳内はカーニバルだ。

周りに人がいなかったら私も踊り出していたかもしれないくらい。

するとヘアメイクさんこ「レフ板持ちます」という声に我に返った。

彼は反射板を手に持って構える。

わあ、いよいよ撮影現場って感じ。