「風夏ちゃん、怖い顔してどうした?」

「なんでもないです!お腹の虫が大きく鳴いてびっくりしただけです」

「そっか、ちょうどお昼時だね。何か食べに行く?」

「はい!」



食い意地で誤魔化して、映画館を出た後ショッピングセンターのフードコートにきた。

さっきポップコーンを食べたから脂質の低いものを選ばないと。

でも春臣くんが「ハンバーガー食べたい」って言ったため、あっさり誘惑に負けてハンバーガーセットを頼んだ。

……おいしい!でも脂質の摂りすぎで肌荒れしそうだから今日の夜は軽いものにしよう。



「風夏ちゃん、最近学校でもモテる?」



せっかく痩せたのにリバウンドしたくないし、と考えていたら春臣くんがポテトを片手に聞いてきた。



「モテませんよ、イケメン彼氏がいるって話題にはなりますけど。
春臣くんだって大学でモテモテじゃないんですか?」



春臣くんが嫌な思いしそうだから、彼氏いる?って聞かれたことは伏せておこう。



「そんなことないよ、彼女いるって明言してるし。
隼によく惚気けるから『あいつは彼女にぞっこんで希望ないからやめとけ』って女子に言ってくれてるらしい」

「へえ、村田さん優しいですね」

「うん、高校の時からなんだかんだ心配してくれる。
面倒見いいんだよね、アニキって感じ」



春臣くんは嬉しそうに村田さんのことを語る。

今度村田さんに会ったら言ってあげよう。

「へへ、そうかよ」って喜ぶ姿が想像できる。