君がかわいいと言うから

「おもしろかったですね!」



2時間の映画はあっという間に終わり、映画館を後にする。

私は興奮気味で春臣くんに話しかけた。



「おもしろかったね。俺は夢中になりながらポップコーンを頬張る風夏ちゃんもおもしろかった」

「だから、なんで今日そんなにいじわるなんですか?」

「うーん、欲求不満なのかも」

「え……」



またいじわるしてきたからムッとした顔をする。

すると、とんでもない回答が帰ってきた。

春臣くんは固まった私を見てすぐに「冗談だって」と笑ってくれたけど……冗談には聞こえなかった。

最近密着度が高いのは分かってたし、会う度にキスマ付けてくるし……。

それなのに春臣くんが好きなタイツを履いてしまった私。

もしかして、火に油を注いでしまったのでは!?