ナンパ男は落胆した様子で「マジで彼氏かよ……」と退散していった。



「ごめん、怖かったね」

「大丈夫ですよ、びっくりしただけ」

「ああいう時はすぐ俺に連絡していいから」

「ありがとうございます。
本当はちょっと怖かったです、ぐいぐい来る感じが」

「だよね、顔が引きつってたから」



春臣くんは抱き寄せていた肩を頭に移動させて頭を撫でる。

ふう、春臣くんに撫でられると安心する。

安心したけど、春臣さんの目がじっと私に向けられているのが気になった。



「……あの、何か?」

「どんどんかわいくなるね、風夏ちゃん」

「春臣くんがそう言ってくれるから頑張れるんです」

「また痩せた?」

「痩せてませんよ、でも筋トレは続けてます」

「そっか、偉いね」



偉いと褒められて飛び上がりたいくらい嬉しい。

んふふ、と笑ったら春臣くんは首を傾げた。



「で、その脚はわざと?」



あ、気がついてくれた!やっぱりタイツ好きだからあ気づくよね。

でも、なんか怒ってる?