「う、嘘ついてどうするんですか」

「待って、そんな怖がらなくていいって」



ちょっと怖くなって移動する。

春臣くんまだかな、さっきもうすぐ着くって連絡あったけど。

とりあえずその場を離れよう。

そう思ったのに行き先を塞ぐように目の前に立たれた。

えーん、しつこいよこのナンパ男。


仕方なく強引に立ち上がって切り抜けようとした。

するとその時、通行人に肩が当たってしまった。



「あっ、すみませ……」

「俺の彼女に何か?」

「春臣くん!」



……と思ったらそれは春臣くんだった。

春臣くんは私の肩を抱き寄せてナンパ男から引き剥がしてくれた。

相変わらずやることがスマート、かっこいい!

今ならときめきで目からハート出せそう。