その声を聞いたとたん、冷や汗がじっとり出てきた。

いや、聞き間違いだよね。

しかし振り返って絶句した。




「てかねーちゃん、探すのだりーから勝手に行くなって言ったろ」

「だってはるくんみつけたんだもん」



切れ長の目に特徴的な泣きぼくろ。

……間違いない。中学時代の黒歴史の原因、ヒロキだ。

なんでこんな所に?思わず握ってる手に力が入る。

春臣くんはその様子を見逃さなくて「大丈夫?」と声をかけてくれた。

でも私には筒抜け。

軽くパニックになってヒロキから目が離せない。

嫌だ……二度と会いたくなかったのになんでこんなところで。



「……風夏?」

「っ、はい!?」



だけど春臣くんが急に呼び捨てにするものだから我に返った。

そうだ、今の私には春臣くんがいる。

独りじゃないから大丈夫。