「孤独を埋めてくれる人がそばにいてほしかっただけ。別にそれはリサじゃなくてもよかった。
でも今は、俺の隣にいてくれるのが風夏ちゃんじゃないと嫌だ」



春臣くんの本音を聞いて、なぜか泣きそうになった。

おかしいな、嬉しいのに。



「なに、それ」

「謝らないよ?別れた原因作ったのそっちだし。
もしかして新しい男と上手くいってない?かわいそうに」



だけど涙はすぐに引っ込む。

かわいそうに、って笑う春臣くんが恐ろしかったから。

……春臣くんって怒らせると怖い。

怒って怖くない人なんていないけど、春臣くんの場合、目が全然笑ってなくて怖すぎる。



「そんなのはるくんには関係なくない?」

「関係ないと思うなら俺に関わらないで。
俺、見ての通り風夏ちゃんとデート中だから」



今度はいい笑顔で私の肩を抱き寄せる春臣くん。

すごい、完全勝利だ……そう思って歩き出した瞬間。



「風夏って……お前、もしかして清水?」



ふと、聞き覚えのある声に引き止められた。