「そんなに、私のこと好き?」

「好きだよ。ほんとは今日、帰したくないくらい」



不安になって聞いたら、まっすぐな瞳でそう言われた。



「ていうか、不意打ちで敬語抜けちゃうのはずるいって」



我慢できない、そう言いたげにまた唇を塞いできた春臣くん。

ふたりだけの甘い時間。甘すぎてクラクラしてしまう。



「その顔、誰にも見せないで」



酸欠でぼんやりとした意識の中、春臣くんが懇願する。

もしかして、春臣くんも不安なの?



「見せませんよ。だって……私のこんな顔を知ってるの、春臣くんだけです」



少し苦しいのにもっと欲しくて。

自分からキスをねだると、春臣くんは私の髪に指を絡ませながら気持ちよさそうに目を細めた。