「おいしかった、ごちそうさま」

「お粗末さまです。……えっと、ご飯作ったからもう着替えていいですか?」

「その前にこっちおいで」



ようやくメイド服に慣れてきたけど、胸がきつくて早く着替えたい。

着替えていいか聞いたら立ち上がった春臣くんに手招かれて、ソファがある方に誘導される。

ソファに春臣くんが座って、その膝の上に向かい合わせで座らされた。

なにこれ、顔が近いし恥ずかしい。



「……風夏ちゃん」

「やっ……」

「ほんとにイヤ?」



顔を近づけられて、反射的に顔を背ける。

でも、嫌なわけない。だって春臣くんのこと好きだもん。

首を横に振ったら、春臣くんは妖しく笑った。

初めて見る色っぽい表情に心臓が高鳴る。



「素直でかわいい」



その綺麗な顔が近づいてきて、ついに距離がゼロになる。

春臣くんと触れ合うのは好き。

特にいつもは優しいのに、キスする時は少し乱暴に唇を奪うところ、実は結構好きだったりする。



「風夏、好き」

「っ、私も……」



気まぐれに呼び捨てされるのも好き。

……好きがあふれて苦しい。

こんな気持ち初めて。