「気が散るなら脱ぎましょうか?」

「は!?」



気を使ったつもりが、目を大きく見開いて驚かれた。



「え、なんか勘違いしてる?
全裸になるって意味じゃありませんから!」

「……ちょっと期待したのに」

「なんか、今日の春臣くん怖いです。もう着替えていいですか?」

「それはダメ」



勘違いから目が本気になってしまった春臣くん。

怖いから脱ごうとしたらそれは全力で止められた。

春臣くんはその後ちょっかいをかけることなく、距離を保って私が料理をするのを眺めていた。



「はい、どうぞ」

「美味しそう、オムライスだ。でもなんで?」

「メイド喫茶でオムライスって定番じゃないですか」



そう言うとなるほど、と納得する春臣くん。

しかし、次の瞬間少し悪い顔をして笑った。



「ちなみにオプションは……」

「恥ずかしいのでつきません!」



言われると思ったから全力で拒否したら春臣くんは吹き出して楽しそうに笑う。

ちょっとムッとしたけど「からかってごめんね?」と笑いすぎて涙目で謝られたから、かわいくて許してしまった。