「タイツ好きなんですか?」

「……好きです」



私の脚を見つめたままなぜか敬語になる春臣くん。

ちょっと緊張してるみたいでかわいい。

へえ、タイツフェチか。またひとつ春臣くんの知らないこと知っちゃった。



「サイズちょうど良かった?」

「胸がキツイです……」

「あ、そっか……」



春臣くんは緊張をほぐそうとして話しかけてきたけど、胸元に視線を落として目を泳がす。

上から見たら余計目立つよね、胸のところ。

ハイウエストのエプロンに乗っかってる感じだもん。



「あー、軽率だった……」



春臣くんはそう呟くとソファに座り、前かがみになって頭を抱える。



「大丈夫ですか?」

「大丈夫だから普通にご飯作っていいよ」



そうは言われたものの、春臣くんが気になる。

ご飯の準備をするために冷蔵庫の中を見ていると、春臣くんの独り言が聞こえた。



「刺激が強かった、めちゃくちゃにしたい……」

「春臣くん、本音がただ漏れてますけど」



聞き捨てならなくてつっこんじゃった。

今日の春臣くん、余裕ない様子になぜかキュンってする。

でもあんまりからかったら後が怖いな。