君がかわいいと言うから





迎えたハロウィン当日。

私は緊張のあまり変なテンションになっていた。

今日は春臣くんの家でご飯を作る……という名目のもとコスプレをしなければいけない日。

どんなコスプレなのか分からないから、一通り全身ケアをしてきたけど不安で仕方ない。



「ハッピーハロウィン!お邪魔します!」

「いらっしゃい。……なんか、気合十分だね」

「気合い入れないと無理です」

「はは、今日もかわいい」



ガチガチの私を見て春臣くんは笑う。

ちょっと緊張がほぐれたけど、リビングのソファーの上にコスプレ衣装らしきものを見かけて再び固まった。



「えっと……」

「それ、風夏ちゃんに着て欲しい衣装。
向こうで着替えてきていいよ」



荷物を置いたあと、それを渡されてお風呂場まで案内される。

脱衣所でその衣装を確認するためにバサッと広げる。

それはモノトーンのワンピースみたいに服だった。