「ところで、おふたりはお知り合いなんですか?」



そんなことより気になってることがあるんだった。

村田さん、なんでバイトするほど陽太さんと仲良いんだろ。



「俺、小中高でハンドボールやってたんだけど、陽太さんは小学校の時のコーチ」

「ああ、そういうこと!」

「そうそう、バイトが辞めたらしいから、次が見つかるまでここで手伝ってんの」



……村田さん、やっぱりいい人だよね。

この人が春臣くんの友達でよかった。



「いらっしゃいませ……ってなんだ、ハルかよ」



なんて考えていたらタイミングよく春臣くんがお店に入ってきた。

ちなみに今日はここで勉強を教えてもらう予定。

春臣くんは村田さんに目もくれず、私を見つけて目を輝かせる。



「風夏ちゃん、冬服似合うね」

「ありがとうございます、春臣くんの前で冬服着るの初めてですね」

「……かわいい」

「えへへ」



変わらず褒めてくれる春臣くんだって、髪型を変えてさらにかっこよくなった。

最近は色を暗めにして、前髪をセンター分けにしてるんだけどそれが大人っぽくて好き。