君がかわいいと言うから

「あ、ちなみに中に入ってるコーラは隼からね」

「村田さん、ありがとうございます!」

「別にいいけど……JKの視線がうぜえ、どうにかしてくれ」



コーラを差し入れてくれた村田さんは女子に囲まれて疲弊してる。



「ウインクでもしたら気絶して静かになるんじゃないですか?」



ふざけてそう言ってみたけど、すごく嫌そうな顔をされた。

だって視線を向けただけで「こっち見た!」とキャーキャー言ってるから。



「逆に騒がしくなるだろ、どう考えても」

「確かに」

「……ハル、もう帰ろうぜ。俺らJKの餌食になっちまう」



村田さんは女子をなんだと思ってるんだか。

それにしても、仲良いよねこの2人。



「うん、帰ろっか。じゃあね風夏ちゃん、終わったら連絡して」



春臣くんは村田くんに目配せして、私にひらひら手を振りながら立ち去っていく。

クラスの女子はその後ろ姿をじーっと眺め、しばらくして一斉に振り返った。



「えっ、何!?」



その後、質問攻めを食らったのは言うまでもない。