「マグロ、サーモン、いくら〜!」

「リアクションかわいすぎない?」

「うへへ、おいしそうですね」



9月中旬、その日は春臣くんと朝から市場に来ていた。

魚市場は小学生の時お父さんと行った以来で久しぶり。

競りが終わったあとの朝の市場は新鮮な魚がいっぱいで大興奮。

いろいろ食べ歩きしつつ、家族へのお土産を買っていたらあっという間にお昼時。

市場の近くのお店に入って海鮮丼を食べることにした。



「幸せ……」

「そういえば、風夏ちゃん学校の文化祭っていつ?」



キラキラの海鮮丼を食べてうっとりしてると、春臣くんに質問された。

ハッと我に返って質問する。



「10月ですよ、確か第2土曜」

「何するの、風夏ちゃんのクラス」



春臣くんはキラキラの表情で問いかけてくる。

でも答えづらい。だって……。



「えーっと……カフェなんですけど」



カフェはカフェでも『コスプレカフェ』。

女子はこぞって仮装することになってる。