「風夏ちゃんおいしい?」

「おいしいです!今日はいちごが大きかったんです」

「おい、口にクリームついてんぞ。色気より食い気って感じだなこいつ」



いかに贅沢なパフェだったか解説しようとしたのに、村田さんが口を挟む。

慌ててペーパーナプキンで口を吹く。

そんな中、春臣くんは頬杖をついて微笑んでる。



「俺はそこがかわいいと思ってる」

「はいはい、分かった」



すかさずノロケる春臣くんと受け流す村田さん。

なるほど、いつもこんな感じらしい。

観察しながらパフェを食べる手は止められない。

気がついたらパフェは綺麗になくなっていた。



「は?食べるの早っ」

「おいしいものってすぐ無くなりますよね」

「早食いはデブの素だからな」

「分かってますよ!というか村田さん、春臣くんに届けに来たものがあるんじゃないですか?」

「あ、そうそう。ハル、これ忘れもの」



村田さんは思い出したように、ポケットから何かを取り出す。

見たところUSBかな。



「あれ……もしかして大学に置きっぱなしだった?」

「そうだよ、彼女の呼ばれて浮かれて帰ったら忘れてったんだよ。
届けに来た俺を褒めろ」

「さすが隼、頼りがいがある。いつもありがとう」



急に呼び出したのに春臣くん喜んでくれたんだ、かわいい。

そして「へへっ」と満更でもない村田さんもかわいい。

今日は午前中大変だったけど、2人のおかげで癒された。