「なんで知ってるんですか私のアカウント!」

「そりゃ、ハルが散々自慢してくるからだよ」



迷惑そうな顔をしながら、村田さんは私が腰かけていたテーブル席に向かいあわせで座る。

うっ、顔面偏差値高いから近寄られると困るんだけど。



「そうそう、お前に話があんだよ」

「話、とは?」

「お前、ハルに何したんだよ」

「何もしてませんが!?」



綺麗な顔が歪んで私を睨む。

イケメンが凄むとそれはそれで怖いから嫌だ。

てかなんで怒られてんの?パフェがまずくなるからやめてよ。



「何もしてないわけねえんだよ」

「すみません、思い当たる節がないんですが」

「だってハル、お前と結婚したいって言い出したぞ」



……は?ケッコン?



「なんですかそれ、初耳です!」

「付き合った女の惚気はよく聞くけどさ。
結婚したいは初めて聞いたから、その時飲んでたコーラ吹き出しただろうが」

「私に文句言われても何も知りませんって!」

「ほんとに?」

「ほんとに!」



春臣くん、私の知らないところでどんだけノロケてるの。

にしても、村田さん色恋沙汰には興味無さそうなのによく聞いてあげてるよね。



「てかお前、結構フォロワー多いのな」



睨み合いが続いたけど、村田さんは自分のスマホを手元に持ってきてインスタを開いた。

私のインスタ?多いかな、900人くらいだからインフルエンサーに比べたら少ないけど。

春臣くんなんて4000人だし。