君がかわいいと言うから

「消してほしいって話じゃなくて……ただ、今後そういった投稿を控えて欲しいだけなので」



こう言ったら春臣くんの表情は晴れるだろう。

そう思ったのに、春臣くんは下がり眉になって首を傾けた。



「じゃあ、インスタで絡むのはダメ?」

「基本的になしでお願いします」

「風夏ちゃんの作った料理にコメントするのも?」

「それは直接言ってください」

「……うーん」



あれ、なんで納得してないんだ?



「風夏ちゃんのこと、もっと周りにアピールしたい」

「はい!?」

「自慢の彼女だから、風夏ちゃんのいいところを知ってもらいたい」

「それは春臣くんが知ってくれたらいいです!」



自慢の彼女!?付き合って1ヶ月なのに?

嬉しいけど……恥ずかしい。

油断してたから赤面不可避だ。



「もう、からかうのやめてください」

「え、冗談だと思われてる?本気なのに」



そうだよ、春臣くんは惜しげもなく愛情表現する人だった。

だけど久々にまともに食らったら照れる。

そんな私たちを見て「フフッ、青春だね」とコーヒーの香りが広がる空間で陽太さんは笑っていた。