正直甘く見てた。

元気が良くて、食べることが好きな女子高生。

素直で純粋で優しいから、孤独を忘れる相手としては丁度いい。

俺にとっての風夏ちゃんはそういう認識だった。


だけど風夏ちゃんは俺に会って変わった。

会う度に綺麗になって、少しずつ前向きになっていく姿に惹かれた。

『誰かにとられたくない』。初めてそう感じて夏祭りの日に告白した。



「分かってる……いや、分かってるつもりだった」



風夏ちゃんはこれまで会った人とは違う。

分かっていて、直接言われる準備ができていなかった。

押し倒していた風夏ちゃんを起こしてソファに座らせる。



「俺、そういう感情にまともに向き合おうとしなかった」



そういうと風夏ちゃんは俺の目をまっすぐ見つめる。