微笑む口元が色っぽくて気が動転してしまった。

逃げるように立ち上がって距離をとる。

だけど、むしろキスしやすい位置取りをしてしまったらしく。

後頭部を押さえられてもう一度キスを迫られた。



「んっ……」

「俺が好きなのは風夏ちゃんだけだよ」



こんな春臣くん、知らない。

強引なのに逆らえなくて、少し怖いのに気持ちいい。



「抱きしめてキスしたいって思うのは風夏ちゃんだけ」



春臣くんの熱のこもった目がそうさせてるんだ。

その視線に囚われたら、逃げられない。



「……風夏」

「やめてください、呼び捨てされると……ぞくぞくする」

「そういうこと言うと、煽ってるみたいだからやめた方がいいよ」