何も無い…何も起こらないそんな静かな夜の道を、俺は歩いて帰っていた。すると俺の肩に一般のコウモリよりも格段に小さなコウモリが止まった。
「いつも出てくんなって言ってるだろ。」
「そんな事言わないでよカズ~寂しいんだよ~」
「知るか!」
 そのコウモリは俺にしか聞こえない声で、そっと耳に囁いてくる。
「今日は三日月なんだね、何かが出そうだよ」
「何かって…もう倒しまくってるだろ」
 俺が後ろを振り返ると、そこにはいかにも雑魚だと言わんばかりの魔界植物や生物が血を流して死んでいた。
「別にそんなのどうだっていいじゃない!カズが傷つく所見たくないんだから」
 そういうと、コウモリはPONと姿を変えて人間に化けて俺の隣に来た。俺はそいつをまじまじ眺めて最初にこういった。
「はぁ…俺お前のその姿嫌いだわ」
「えっ!どうして!」
「しるか、嫌いなものは嫌いなんだよ」
 俺は坂上カズ。私立カシミア学園に通う高校生。成績トップで、運動もまぁできる方だった、三日前まではな。そして、俺の隣にいる無駄にでかいやつがルービック、自称ルウ。読んだ感じからしてみんな気づいてると思うが、こいつは悪魔だ。今は分け合って共に暮らしている。そのわけというのが三日前に遡るのだが………。