祖母に呼ばれて


階段を降りて向かったダイニングには


『おっはよー‼︎親友!』

「なんで涼介ここで朝飯食ってんだよ?」

『伊織の事迎えに来たら、

 ばぁちゃんが食ってけってさ。

 伊織のばぁちゃんの飯美味いから!』

「それは分かるけど…」

涼介はサッカー部で

友達も多いはずなのに

登校するときは

必ず俺を迎えに来てくれる。

結構嬉しいのは内緒だ。

「なんで涼介今日こんな時間に余裕あんの?朝練は?」

『今日始業式だから今日は無し。』

______そっか。



今日から新学期だ。







ん?

新学期ってことは…

「クラス替えじゃん…詰んだわ。」

『お前俺以外友達あんまりいないからな。』

「決めつけんなよ。」

『だってそうだろ?』

こちらを見て話す涼介の顔には

全く悪気はない。

まぁ実際…

否めないが、



俺たちの学校は6クラス。

涼介と反対で俺は友達付き合いには疎い。

だから、涼介の他に1人、2人ぐらいしか

気軽に喋れるやつはいない。

「去年お前と違うクラスで、

 俺知らないやつと喋るの無理だから

 入って2ヶ月はストレスで死にそうだっ

 たわ。」

『うん。俺が弁当食いに呼びに行った時の顔
 
 最初の頃死にそうな顔してたからな〜

 だんだんクラスの奴と

 話してるの見るの多くなったけど…

 伊織ちゃんにお友達ができてて

 感動したわ❤︎』

「どこのオカンだよ、気持ち悪い。」



とまぁいつもこんな感じで

時間になったら2人で家を出る。