「…り ま〜りって!」
隣の席の楓華に名前を呼ばれハッとして私はすぐ席を立つ
「山下〜 ここ読んでみろ」
「あ…はい 」
体育の後の授業は本当に睡魔という名の悪魔の存在を信じてしまうほど眠い
楓華が、教科書を指差しながら
「ここ、28ページの9行目から」
楓華に、感謝
すぐに教科書を開いて
「…ありがと!」
私はいつものように楓華にお礼を言い淡々と文字を読み上げた
「はい、いいぞ〜」
私は席に座り、先生の授業をボーッと聞いた
「まりはいっつも寝てるね」
「毎日感謝だよ、ありがと楓華」
「今日はどんな夢見てたの〜?」
「えーとねぇ…」
楓華とコソコソ話していたら、後ろから紙屑が飛んで来た
“ 私も話に入れろ by 彩 ”
1番後ろからふてくされた顔でこちらを見つめている彩
高校入学から2回目の席替え
初めての席は3人で固まっていて
周りに同じ中学の知人もいなかったので
すぐに仲良くなれた
入学当時のことを思い出していたら授業が終わっていた